元アベンジャーのCOJ

元アベンジャーのCOJ

チョコとポテチとコーラが好き。

今川義元はかませ犬なんかじゃない! 『センゴク外伝 桶狭間戦記』

戦国時代とはなんだったのか?

たまには私が好きな漫画の一つでも紹介してみようかと思います。
それがこの『センゴク外伝 桶狭間戦記』です。


戦国時代を舞台とした漫画で、今川義元が主人公です。
そう。
あの。
いつも信長に対してのかませ犬のように扱われる今川義元です。
お歯黒つけて小太りで京かぶれのあの今川義元です。

しかし、この漫画を読むとそのイメージが一新されるでしょう。

 

今川義元は凄かったはずなのです

私がこの漫画を気に入っている理由としては、ちょうど今川義元に対する興味が大きくなっていた時に読んだことも大きいのでしょうね。


義元は『海道一の弓取り』と呼ばれていたほどの男です。


信長に破れはしましたが、それまで地域一帯を治めていた手腕は並外れたもののはずです。


なのに、評判がすこぶる悪い。


勝利者が信長であり、義元はその敗者なので悪く書かれるのも仕方がないのかもしれませんが。


それで

「実際の義元はもっとすごかったはずだ」

という疑問を抱きはじめた頃に、この漫画と出会ったのです。

 

 

本編についても触れてみる

本編のお話もここでしておきます。


この『センゴク外伝 桶狭間戦記』は文字通り『センゴク』という漫画の外伝的扱いです。


本編は『センゴク(全15巻)』『センゴク 天正記(全15巻)』『センゴク 一統記(全15巻)』『センゴク権兵衛』と続いており、現在も『センゴク権兵衛』が続刊中です。

 私は本編も好きです。

特に明智光秀の描かれ方が凄く面白い!
もちろん光秀以外の武将もとても魅力的に描かれています。

 

実は本編より先にこの外伝の桶狭間戦記を読んだのですが、特に問題はありませんでした。
本編の主人公である仙石権兵衛秀久も出てきませんからね。

 

さて、それではここから再び桶狭間戦記の話に戻ります。

 

『センゴク外伝 桶狭間戦記』の主な登場人物

主要人物は今川義元、太原雪斎、織田信長、織田信秀(信長の父)といったところでしょうか。

今川義元

この漫画では義元はやや中性的なヴィジュアルで描かれています。


小太りでもお歯黒でもないです。


とはいえ、戦国武将といわれてイメージするような、いかつい感じでもありません。


言動はやや子供っぽく、大人になってからも、いつまでもキラキラしたものを追いかけているような、そんな人物として描かれています。


幼少期から始まり、やがて家督をついで天才的手腕で今川家を繁栄させ、国を発展させていきます。


ちなみに、義元の嫁さんや息子の氏真は出てきません。


信長に関しては可愛いねーちゃんとの恋が描かれるのに、義元にいたってはまったくそういった存在が描かれません。


雪斎と一緒に内政と謀略と戦争ばっかりやってます。
でもそれでいいんです。

 

太原雪斎

この漫画を読むまで、私にとって太原雪斎は『ゲームの信長の野望で今川を選んだ際に最初からいる、強いけどすぐに寿命で死ぬお坊さん』くらいの認識でした。


太原雪斎は義元の教育係として今川家から招聘されるのですが、その直前の時期のエピソードが最高です。


最初は精錬潔癖なお坊さんだったのに、あることをきっかけに女に走り、結局この女からはろくでなし呼ばわりの上放逐され、街で用心棒として雇われて金をもらい、悪人をボコって鬱憤を晴らす存在に落ちぶれます。


とはいえ、かつては高名だったのでその頃の噂しか知らなかった今川家から義元の教育係になってくれという手紙が届き、今川家を訪れます。


やがて義元(この頃は4歳くらい)と会った太原雪斎は義元の魅力に惹かれ、彼に対し「お主を戦国大名にしてやろう」と言うのです。


なお、雪斎が今川家に呼ばれた理由は「義元を立派な僧に育ててくれ」というものです。別に戦国大名に育てて欲しかったわけではありませんw


義元は五男だったので、そんな依頼だったのですが……


まあいろいろあって結局義元が家督を継ぐことになります。
雪斎も軍師的存在として、義元を支えます。


織田信長

この漫画の第二、もしくは第三の主人公といえる存在です。


2巻は信長の幼少期の話からスタートします……というか、2巻は信長の描写が99%です。


義元は最後にちょこっと顔を出す程度の扱いになりますw

 

上で書いたように、やがてとある女性と出会い、お互いを想うようになります。


相手は正室の濃姫ではなく生駒吉乃という女性です。


濃姫は一切出てきません。
色々と極端な漫画ですw


吉乃は信長が生涯で最も愛した女性だと言われているそうです。


この桶狭間戦記でも、二人のやや狂気をはらんだ愛が描かれます。


なお、私は桶狭間戦記を読むまで吉乃に関しては名前も含めて全く知りませんでした。


織田信秀

信長の父です。
義元の強敵として立ち塞がる相手です。


信秀と義元に関する有名なエピソードといえば、竹千代(将来の徳川家康)を人質にする際の事件ですが、もちろん漫画ではこのお話についても触れられています。


義元は信秀に苦しめられつつも彼を乗り越えようとするのです。

 

信長と信秀の親子関係にも時々ホロリとさせられます。


戦国時代という親兄弟でも相争うような時に、二人はお互いを愛し、慈しんでいた。そんな気持ちが読み取れるのです。


信秀は義元、信長という異彩を放つ二人とは対照的に、骨太なまさしく戦国大名、という描かれ方をしています。

 

義元サイドと信長サイド

義元と雪斎は二人三脚で法を整備して着々と国を富ませ、信長は肉親達との血みどろの争いに勝利して、それぞれ地域を掌握していきます。


織田家をまとめ上げていくための骨肉の争いに、信長がどうやって勝利していったかを知ることが出来るのもこの漫画の面白いところです。


壮年期になりつつある義元が理知的な統治をすすめるのとは対照的に、若い信長は荒々しいやり方です。

 

二人は直接対決こそしませんが、お互いを意識しつつそれぞれの務めを果たしていきます。

 

そして、決戦の時がやってくる

義元と雪斎はある時、武田と北条との三国同盟を成立させます。

 

もちろん、西へ進出するため。


大河ドラマなどで述べられているように京を目指すのではなく、尾張という豊かな国を奪うためです。


戦国大名として。

 

やがて義元と信長は運命に導かれるように、桶狭間でぶつかることになるのですが……。

 

乱世とは

そうそう、最後になりますが、この漫画で特に印象に残ったコマがあります。

 

1巻のこのシーンが、この漫画を象徴している1コマと言えるかもしれません。

f:id:motoavenger:20160511193416j:plain


義元にとっても、戦国時代という乱世は果てのない遊び場でした。


戦乱の時代を無邪気な子供のように駆け抜けるのです。